新しい医療への取組み

1.臨床研究実施方針

慶應義塾大学病院は、未来のよりよい医療のため、次の方針にもとづく臨床研究を行います。

1.被験者保護
被験者の人権保護を第一優先に、十分に説明し、同意をいただく。

2.法令遵守
法令・指針・社会規範等を遵守し、倫理と科学に立脚した研究を行う。

3.公正な研究活動
気品の泉源・智徳の模範たる組織として、不正を容認しない。

4.人材育成
未来の医療を拓く質の高い研究者、医療人を育成する。

5.社会還元
研究成果の実用化を推進し、他施設の臨床研究を積極的に支援する。

 

基礎・臨床一体型の先進的な医療、個別化治療に向けて

 

 

2.臨床研究推進センター

「臨床研究推進センター」Webサイト

基礎研究で得られた成果を、患者さんのニーズにあった革新的な治療法や診断技術に結びつける実用化に向けて、迅速かつ一気通貫で先進医療を診療の現場に提供するため、新たに臨床研究推進センターを開設しました。2014年8月1日に設置された同センターは、大学病院長がセンター長を務め、ネットワーク支援、トランスレーショナルリサーチ、臨床研究支援、臨床研究実施、監査等の6部門を擁し、それぞれに各領域の専門スタッフを配置しています。医師主導・企業主導治験の実施に加えて、基礎研究・非臨床試験段階の研究シーズにおいても迅速な臨床試験入りを支援します。また、センター運営委員会とシーズ評価委員会を設け、医学部と病院の各部門が協調し、切れ目のない研究開発を実施します。同センターを通じて、慶應伝統の基礎・臨床一体型 医療・医学を効果的に支援し、世界に先駆けた革新的な医薬品、医療機器を創出する拠点形成を目指します。

 

3.臨床研究実施状況

「慶應義塾大学医学部 倫理委員会」Webサイト

「慶應義塾大学病院治験事務局」実施中の治験一覧

 

4.患者さんの権利と安全に配慮した臨床研究

(1)臨床研究について

医学部の倫理審査委員会

「臨床研究」とは、患者さんにご協力頂き、病気の原因の解明、病気の予防・診断・治療の改善、患者さんの生活の質の向上などのために行う医学的研究です。厚生労働省の定める指針にもとづき実施されます。厚生労働省の指針には、倫理審査委員会の審議の透明化や情報公開、インフォームド・コンセント(同意)を受ける手続、被験者の健康被害に対する補償措置や予期しない重篤な有害事象に対する対応、関係者の教育研修、および臨床試験計画の事前登録などが盛り込まれており、患者さんの権利と安全を第一に考えられています。倫理審査委員会は、医師・医療の専門家、法律学の専門家、人文・社会科学分野の専門家、一般の立場を代表する者等から、男女のメンバーでバランスよく構成され、科学的かつ倫理的な側面から審査され、研究の計画に加えて、患者さんへの利益・不利益を説明するわかりやすい説明文書や同意文書であることの確認などが行われます(医学部の倫理審査委員会)。
慶應義塾大学医学部・病院では、 2012年11月より、研究開始後も、臨床研究の一部を無作為抽出し、第三者機関による外部監査(指針適合性調査)を開始しました。指摘事項については、各部門から選出されたエシックスマネージャー(EM)がレビューを行い、適正な研究の実施を推進しています。
なお、過去の診療データ等の利用により、インフォームド・コンセントを受けることが困難な研究については、研究の内容の詳細をWebサイトによりお知らせさせていただいております(臨床系教室一覧)。

(2)治験について

新しい薬が政府の承認を得て一般の診療で使えるように、客観的なデータを集めることを目的とした臨床研究は、「治験」と呼ばれます。治験は、健康増進に役立つ新しい手法や療法を見極め、製造販売承認申請に必要な臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験です。被験者の自発的な参加を得て行われます。実験動物等で認められた効果や安全性を人で確認するため、科学的に評価できるデータとして倫理性・信頼性基準(GCP:Good Clinical Practice)のもとで収集することが求められます(慶應義塾大学病院治験事務局)。
GCPは、薬事法下の厚生労働省令で定められた基準です。治験が十分な倫理的配慮のもとに科学的に適正に実施されるために必要な事項を定めたもので、厳密な運用が行われています。
慶應義塾大学病院は、 2013年10月、早期・探索的臨床試験拠点として、臨床試験病棟を開設いたしました。