抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査
実施診療科 | 脳神経外科 |
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承認年月日 | 2013年12月1日 |
適応症 | 神経膠腫(グリオーマ) |
主な内容
先進性
神経膠腫は浸潤性悪性腫瘍であり、手術での根治切除は困難です。治療は、手術で摘出された腫瘍標本の組織学的診断に基づいて行われますが、放射線照射と抗がん剤(テモゾロミド)による画一的治療が行われているのが現状であり、多くの例で命に関わる病気です。近年、神経膠腫においては、化学療法(抗がん剤)感受性と相関する2つの重要な分子マーカーが報告されておりますが、これらの臨床応用は、ほとんどなされていません。我々は、世界に先駆けて、これらの分子マーカーに基づく個別化治療を行っております。
概要
神経膠腫手術摘出標本において、2つの分子生物学的マーカー(1p19q共欠失, MGMTプロモーターメチル化)の有無を検索し、その結果に基づいて個別化治療を行います。また、組織学的診断が難しい例では、同時に検索される腫瘍染色体や遺伝子(IDH1など)の特徴により、腫瘍の組織学的診断の確認に役立つ可能性もあります。
効果
特に、化学療法感受性が予測される場合は、術後に化学療法を先行させ、残存腫瘍が縮小したところで、根治的再摘出を行うこともあります。化学療法感受性の神経膠腫(grade 2, 3の約1/3)の生命予後の改善、さらには根治の可能性も期待されます。また、放射線治療も回避され、万一の再発時の治療手段として温存できる(放射線治療は一生で一回しかできない)ばかりか、放射線による遅発性脳障害も回避されます。一方、化学療法抵抗性が予測される場合は、新規の免疫治療の積極応用など、最初から集学的治療を行い、予後の改善を期します。