ぬり薬
皮膚に直接薬を塗ることで、炎症(化膿・湿疹・痛みなど)を抑えるお薬です。
薬を直接病巣にぬれるので、病巣での治療効果の発現できる薬の量を決定しやすく、また、常時病巣を観察しながら治療できる利点があります。とはいえ、右の図の経路をたどり、くすりが全身へ分布されるのは、『のみ薬』と同じです。使いすぎると他の臓器に影響を及ぼす可能性がありますので、必ず医師の指示に従って使用してください。
薬に関する質問
- Q薬はどのように塗ればいいのでしょうか?
- A
病巣部に薄くのばすように塗るのがよいでしょう。(単純塗布)力を入れて擦り込むと摩擦によってかゆみを誘発したり、病巣を悪化させる恐れがあります。
また、病巣の具合によってはリント布あるいはガーゼに少し厚めにのばして使用する場合もあります。(重層療法)塗るときは手をきれいに洗ってからにしてください。風呂上がりなどに塗るのは効果です。 - Q1日何回ぬればよいですか?
- A一般には、1日2~3回塗ってください。医師から「~回」という回数の指示がある場合は、その指示に従ってください。最近は、1日1回塗るだけでよい製剤も発売されています。
- Q軟膏とクリームの使い分けは?
- A
皮膚の表面が破けたり、傷ついていない時は、クリームを使用し、傷があるときには軟膏をつけると効果的です。また、皮膚の乾燥具合で使い分けたり、夏、軟膏の使用はベトベトとし不快感を持つ方にはクリームを使用する場合もあります。さらに病巣の状態を見て効果的な方を医師は選択されてますので、勝手に使い分けるのはやめて下さい。
- 軟膏の特徴
- 皮膚刺激性がほとんどなく、表皮に油脂膜を作り皮膚の被覆保護を有し、軟化作用と肉芽形成作用があります。表皮からの分泌物がある場合はその除去能がないため、分泌物が貯留し、逆に汚染源となって悪影響を及ぼすことがあります。
- クリームの特徴
- 皮膚刺激性が軟膏よりもあります。クリームは、水分を含有していることから、皮膚面から水分が蒸発して冷却作用を示します。この作用は炎症およびかゆみを抑えます。また皮膚からの分泌物の吸収作用がありますが、分泌物が多い場合には、皮膚への浸透力もあるため、分泌物が再吸収されて症状を悪化させることがあります。
- Q塗る場所により薬を変えるのですか?
- A顔面・首の皮膚は、薄く、脂腺が多く集まり、発汗も多いことに加えて、常に日光の影響を受けています。また、脇の下・陰部付近は皮膚を通じて薬の吸収しやすい場所であり、副作用が発現しやすい場所です。特に場所によりステロイド剤の強さの使い分けは大切です。
- Q口内炎のぬり薬はどう塗ればいいの?
- A口内炎に塗るくすりは、口の中の水分によってゼリー状に固まるような製剤になっています。
まず- 手を洗い、指先をきれいにして、
- 口の中をすすいできれいにします。
- ティッシュペーパーで患部を軽く抑えるようにしてまわりの水分や唾液をぬぐいます。
- 患部を覆うだけの量のくすりを指先にとり、
- 鏡をみて、患部のまわりから覆うようにつけます。つけたあと、舌でさわらないようにし、しばらくは、食べ物や飲み物を控えてください。食後や寝る前に塗るのが効果的です。