診療クラスターのご紹介

診療クラスターについて

慶應義塾大学病院では、「各科の分立を防ぎ、基礎医学と臨床医学の連携を緊密にし、学内は融合して一家族の如く、全員挙(こぞ)って医学の研鑽に努める」という、北里柴三郎初代病院長の精神のもと、開院当初から診療科同士の垣根がない治療を行うことを信条としております。より良い治療を患者に提供することを目的として、難治性疾患や稀少疾患、診療に高度な技術を要する疾患に対する治療を行う「診療クラスター」を2016 年度よりスタートさせました。従来の内科や外科といった診療科の枠組みを超えて、複数の診療科の専門家がメディカルスタッフとともに横断的・複合的に連携して高度な医療を行っています。
このページでは、いくつかの診療クラスターの概要をご紹介いたします。

各診療クラスターの概要のご紹介

IBD(炎症性腸疾患)センター

IBDセンターでは、潰瘍性大腸炎、クローン病などの難治性の炎症性腸疾患(IBD)患者さんを対象に、病状に応じた専門診療科が緊密に連携を図っています。消化器内科では患者さんごとに適切な薬物治療を行い、手術が必要な方は一般・消化器外科と連携して治療を行います。検査においては、内視鏡センターや放射線診断科とも連携しています。炎症性腸疾患では関節や皮膚にも症状が出ることがありますが、必要に応じてリウマチ・膠原病内科や皮膚科といった各領域の専門医の診療が受けられます。さらに、ご出産を当院で希望される患者さんにおかれましても、当センターが妊娠・周産期を通して炎症性腸疾患について適切にサポートいたします。専門的な知識と治療技術に精通する多数のエキスパートが協力して診療にあたります。

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メモリーセンター

メモリークリニックは、物忘れや理解力低下など認知症を専門にしています。神経内科医、精神・神経科医による診療科を超えた連携体制を特徴としています。近年は、アルツハイマー病の新薬抗アミロイド抗体を積極的に導入し、先進的な治療に取り組んでいます。

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周産期・小児医療センター

安全な妊娠・出産、そして子どもたちの健やかな成長と発達を支えることは、成熟した社会の使命であり、国の将来を担う大切な仕事です。医療が高度に発展した現在、妊娠・出産、そして子どもたちに起こりうるさまざまな病気や問題に、産科、小児科、小児外科など一診療科のみで対応する時代は終わり、関連する部門が総力をあげて問題解決に当たることが必要です。そこで2013年10月、女性と子どもの診療に関わる内科系・外科系診療科が一体となり、多様化する周産期・小児疾患の診療を包括する「周産期・小児医療センター」を開設しました。当センターでは、在宅支援やご家族の生活環境の向上も考え、病気を治すだけでなく、一人ひとりの健やかな成長・発達と豊かな生活のための「全人的医療」を心がけております。

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母斑症センター

当センターでは、生まれつきのあざや神経線維腫症、結節性硬化症、巨大色素性母斑、オスラー病など母斑症の診療を行っています。小児科、皮膚科、形成外科、整形外科など10以上の診療科が連携し、皮膚症状、成長や発達、てんかん、側弯症、腫瘍など、患者さん一人ひとりの症状やライフステージに合わせた専門的な診療を小児期から成人期まで継続して提供します。気になる皮膚症状がある方、母斑症をお持ちの方はぜひご相談ください。

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ブレストセンター

日本人女性がかかる最も多い「がん」は乳がんです。ブレストセンターでは乳がんに関するきめ細やかで安心な質の高い医療を提供するため、一般・消化器外科の乳腺班のほか放射線科・形成外科・産婦人科生殖班・臨床遺伝センター・緩和医療センターが密に連携して診療をおこなっております。乳房のしこりや乳頭からの分泌、検診での異常の指摘など乳がんの心配をお持ちの方は、ぜひ私たちにご相談くださいませ。

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リプロダクションセンター

妊娠について相談したい方や不妊でお悩みのご夫婦、がん治療前の妊よう性温存をお考えの方に、経験豊富な専門スタッフによる生殖医療を提供しています。
産婦人科と泌尿器科の専門医が連携して不妊症や不育症の治療にあたるほか、遺伝カウンセラーや不妊症認定看護師も配置しています。院内の他の診療科や他院とも連携し「がん・生殖医療」も実施しています。
プレコンセプションケアから妊娠、出産まで、安心して治療に専念いただける体制を整えています。

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痛み診療センター

腰や首、関節などの痛み、神経痛などの強い痛みなどに対し、麻酔科、リハビリテーション科、整形外科、精神・神経科、理学療法師、公認心理師で連携をとりながら対応できる体制を整えています。
なかなか良くならない痛みや耐えられない痛み、他院で診断がつかない痛みなどを抱えている方は、まずは麻酔科医師の外来を受診していただき、ぜひご相談ください。

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睡眠センター

睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)を中心に専門診療科が連携をとりながら診療を進めています。SASはいびきや無呼吸の症状以外に、日中の眠気、中途覚醒、夜間頻尿、慢性咳嗽、早朝頭痛、抑うつ状態などの症状を認める可能性があり、高血圧・虚血性心疾患・脳卒中などの合併症を起こす危険性が高い疾患です。気になる症状、SASの心配をお持ちの方は、症状にあわせた診療科をまず受診していただき、ぜひご相談ください。

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骨転移診療センター

骨転移診療センターでは、がんの骨転移を中心に、がん治療中のさまざまな運動器症状に関するご相談をお受けしています。 診断・治療は整形外科、リハビリテーション科、緩和ケアセンター、放射線診断科、歯科・口腔外科の医師など多職種が協力して行います。
がん治療を担当する主治医が必要と判断した場合に、当クラスターにご相談いただく形をとっております。 がん治療中の首、腰、手足の症状でお困りの方は、ぜひ担当医にお声かけください。

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消化器センター

消化器疾患は、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆嚢など多くの臓器が関与し、対象疾患はがん、炎症、感染、機能障害など多岐にわたります。これら多彩かつ複雑な病態を呈することもある消化器疾患を、複数の部門が連携し包括的に診療を行うため、慶應義塾大学病院消化器センターが設立されました。患者さん中心の視点に立ち、消化器疾患のトータルケアを目指し、各分野のエキスパートが連携し、質の高い医療を提供します。

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頭蓋底センター

髄膜腫、下垂体腺腫、鼻副鼻腔悪性腫瘍、顎関節腫瘍など頭蓋底領域に発生した疾患に対して、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、眼科、形成外科、歯科・口腔外科が連携し先端的な治療を提供しています。特に経鼻内視鏡手術は2008年よりチーム手術を開始し、豊富な経験があります。
また、難治性脳腫瘍へのワクチン療法の臨床研究を実施しています。
診断や治療に不安がある方は、ぜひ当センターにご相談ください。

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アレルギーセンター

アレルギーセンターでは内科(呼吸器、消化器)、小児科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、皮膚科、眼科が連携し、患者さんの年齢、症状の部位、重症度に応じて俯瞰的・包括的な評価を行い、適切な診断・治療を提供する体制を整えています。特に複数のアレルギー疾患を合併する方や重症・難治性アレルギー疾患の方、小児期から成人期への移行期の方、原因不明のアナフィラキシーの精査等に関してお困りのことがございましたら、ぜひご相談ください。

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呼吸器センター

呼吸器センターでは呼吸器内科、呼吸器外科、放射線治療科が連携し、肺癌、間質性肺炎、非結核性抗酸菌症、慢性閉塞性肺疾患など多岐にわたる呼吸器疾患に対して、適切な診断・治療を提供する体制を整えています。さらに、病理診断科や放射線診断科とも協力し、専門的かつ包括的な診療を行っています。これらの疾患(疑い含む)に関するご相談がございましたら、ぜひご連絡ください。

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臓器移植センター

臓器移植は、長生きできる可能性を高めたり、生活の質を向上させたりする効果が期待できます。当院では、臓器移植が必要な患者さんに適切な情報と医療を提供しています。肝硬変・肝不全でお困りの方は、消化器内科、一般・消化器外科、小児外科をご受診ください。腎不全の方は、泌尿器科で診察を受けていただけます。腸管機能不全の方は、消化器内科、一般・消化器外科、小児外科をご受診ください。

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小児頭蓋顔面(クラニオ)センター

赤ちゃんの頭の形に悩まれたり、頭蓋縫合早期癒合症をはじめとする生まれつきの頭や顔の病気に対し、形成外科、脳神経外科、小児科をはじめ麻酔科、整形外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、眼科、放射線診断科、放射線治療科と連携をとりながら対応できる体制を整えています。向き癖による変形が病的なものなのかは専門とする医師でなければ診断が難しいことがあります。赤ちゃんの頭の形に不安を抱えている方は、ぜひご相談ください。

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性分化疾患(DSD)センター

胎児から成人に至る全ての年齢を対象とし、緊急性を問わずあらゆるDSDを診療する体制を整えています。内科系や外科系など多数の診療科からなる専門家チームによる横断的な診療を行っています。DSDの診断、性ホルモン補充、手術などについて相談したい方は、窓口となる小児科ないしは各診療科のDSDセンター員の外来に受診してください。

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糖尿病先制医療センター

当センターは、糖尿病で悩み苦しむ方に、あらゆる角度からサポートいたします。1型・インスリンポンプ外来、フットケア外来、肥満症外来などの専門外来に加え、看護部、食養管理室、臨床検査科、薬剤部、スポーツクリニック、精神・神経科と連携し、充実した食事運動・精神療法・薬物治療の体制を整えています。
慶應病院だからこそできる充実した他科との連携であらゆる合併症に対応いたします。お困りの方は気軽にご相談ください。

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脳卒中センター

脳卒中センターでは神経内科、脳神経外科、救急科、リハビリテーション科、放射線診断科、精神・神経科の専門医が協力し、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など脳血管が関わる疾患の診療を行います。血栓溶解療法やカテーテル治療など急性期治療の提供のほか、リハビリテーション、看護師・ソーシャルワーカー・地域連携担当者による療養環境整備の支援なども行います。脳卒中に関するお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。

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遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)センター

HBOCが疑われる方や、ご本人やご家族がHBOCの診断を受けた方を対象に、臨床遺伝学センター、産婦人科、一般・消化器外科、泌尿器科、皮膚科、精神・神経科、腫瘍センターで連携をとりながら診療を行っています。遺伝学的検査の前後を通じて遺伝カウンセリングでサポートし、診断後は関連診療科と連携して、治療、サーベイランス、リスク低減手術などを行います。HBOCについての診療をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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側弯症診療センター

当院では年間200件以上の側弯症手術を行ってきました。さらに安心安全で質の高い治療を提供できるよう2021年に側弯症診療センターを設立し、整形外科、小児科、麻酔科、小児外科、リハビリテーション科、臨床遺伝学センター、放射線診断科、放射線治療科が連携しながらチームで治療にあたっています。全ての年齢のせぼねの曲がりでお悩みや不安を抱えている方は、ぜひ当センターの外来を受診いただき、担当医にご相談ください。

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リンパ浮腫診療センター

生まれつき、もしくはがん治療後や外傷後の手や足のむくみに対し、リハビリテーション科、形成外科、放射線診断科、一般・消化器外科(血管班、乳腺班)、産婦人科の多職種のメディカルスタッフが携わり、リンパ浮腫の診断から保存的・外科的治療まで患者さんの状態に応じた治療を行っています。
リンパ浮腫でお困りの方は、腫瘍センターがんリハビリテーション外来、または形成外科リンパ浮腫外来へ、ぜひご相談ください。

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パーキンソン病センター

パーキンソン病を専門に診療するセンターです。複数の診療科(神経内科、脳神経外科、リハビリテーション科、精神・神経科、内視鏡センター)、多くの医療職種(看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、臨床心理士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー)が連携したチーム医療を推進し、安心・安全に質の高い先端的な医療を提供する体制を整えています。リハビリにも力を入れています。パーキンソン病に関して不安を抱えている方は、まずは神経内科外来を受診してご相談ください。

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ロボット支援手術センター

ロボット支援手術センターは、ロボットを用いた精密で負担の少ない手術を患者さんに提供することを目的に運営しております。泌尿器科、一般・消化器外科、産婦人科、心臓血管外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、呼吸器外科、整形外科などのロボット支援手術を行う診療科および、麻酔科を中心とし、手術室看護師、医用工学士も交えて密に連携を取っています。
上記診療科におけるロボット支援手術に興味のある方は、まずは各診療科の外来を受診していただき、ぜひご相談ください。

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大血管浸潤腫瘍治療センター

大血管に浸潤した腫瘍や、他臓器の合併切除が必要な腫瘍などの、通常の外科的手術では治療が困難な症例に対し、一般・消化器外科、泌尿器科、整形外科、産婦人科、心臓血管外科、腫瘍センターなどを含む多診療科で連携をとりながら、治療を行なっております。他院で治療困難と判断されても、当院での治療が可能な場合がありますので、お気軽に当院までご相談ください。

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メンタルヘルス・リエゾンセンター

メンタルヘルス・リエゾンセンターでは、入院中の患者さんが心身ともに安心して入院生活を送っていただけるよう、さまざまな診療科や、看護部、薬剤部、食養管理室、医療連携推進部、医療安全管理部などの多くの部門と連携し、メンタルヘルスのサポートをします。入院中にメンタルヘルスで困ったこと、心配なことがあれば、遠慮なく担当医や看護師にご相談ください。必要に応じて、当センターがサポートいたします。

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聴覚センター

耳や聞き取りに関するあらゆる疾患を、各領域の専門科と連携して対応しております。特に、補聴器や人工内耳などの人工聴覚器は先端的な治療・リハビリ法について言語聴覚士の教育も含めて研鑽を続けています。難聴と認知症との関係は放射線診断科や認知症専門医と早期発見・早期治療につなげ、側頭骨・頭蓋底腫瘍は脳神経外科や臨床検査科と共により機能温存ができるよう努めております。何かお困りのことがあれば、耳鼻咽喉科・頭頸部外科内の聴覚センター担当医までご相談下さい。

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ニューロモデュレーションセンター

脳卒中や脊髄損傷などの中枢神経損傷に伴う運動障害に対し、リハビリテーション科および整形外科の医師・理学療法士・作業療法士が連携して機能改善に取り組みます。ニューロモデュレーションとは、神経活動を外部からの刺激によって変化させることを表します。経頭蓋磁気刺激(TMS)装置、Brain Machine Interface(BMI)、HALなどの先端的な医療機器を活用し、科学的な根拠に基づく治療を安全に提供することで、患者さんとご家族の生活がより豊かになることを目指します。

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スポーツ&メディカルフィットネスセンター

スポーツ医学総合センターでは、「再生と運動」をテーマに2つの新しい医療を提供しています。
PRP(Plate Rich Plasma/多血小板血漿)療法
血小板に多く含まれるタンパク質(生理活性物質/サイトカイン)は患部の炎症抑制や組織修復に効果があると考えられます。当センターでは既存のPRPよりも血小板濃縮(回収)率が高く、血小板数やサイトカイン量など「内容の分かる」安心なPRPを作製して患者さんにお届けします。
Medical Fitness
運動が必要な方、運動を始めたいと思っている皆様に、一人ひとりの健康状態、病態に合わせ、確かな医学的根拠に基づく適切な『運動を処方』します。

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詳細ページ(診療科・部門一覧)のご案内

こちらのページでご紹介した診療クラスター以外にも、各診療クラスターの詳細を以下の診療科・部門一覧ページでご紹介していますので、ぜひご覧ください。