病理診断科

概要

 病理診断科は慶應義塾大学病院の各科から提出される検体から標本を作製し、肉眼や顕微鏡で形態的に観察し最終診断を行う臨床系の一部門です。診断対象となる臓器は全身にわたり、体の一部から切り取られた組織を診断する生検組織診、および体から剥がれ落ちたり吸引された細胞を診断する細胞診の診断結果に基づいて臨床各科の治療方針が決定されます。また、手術で取り出された臓器を詳しく調べ、組織の特徴や病変の広がり、とり切れているかどうかの診断を行います。

特色・方針・目標

 当院1年間の生検・手術検体は約2万件と極めて多く、日本の大学病院の中でも群を抜いています。このうち、手術中に切除断端に癌が残っていないか、リンパ節転移がないかなどを調べる術中迅速組織診も年間約1200件行っています。他病院病理検査のセカンドオピニオン診断も増加してきています。
 症例は多彩であり、難解例も少なくありません。難解例は院内の病理医や臨床医とも十分に協議を重ね、必要があれば外部の専門家にもコンサルテーションし、高い水準の診断を行えるように努力しております。
 当院では常勤病理医6名、および病理学教室の病理専門医がローテーションを組み診断にあたっています。各々が病理全般の診断に加えて臓器別に専門領域の診断を行っています。臨床各科とのカンファレンスも行っています。

特殊診療施設のご案内

主な実績

近年の診断件数は以下の通りです。

2020年
組織診 17,725件 (術中迅速組織診 1,223件を含む) 細胞診 19,666件 病理解剖 35件
2021年
組織診 21,644件 (術中迅速組織診 1,366件を含む) 細胞診 22,679件 病理解剖 31件
2022年
組織診 24,021件 (術中迅速組織診 1,379件を含む) 細胞診 23,564件 病理解剖 31件
2023年
組織診 24,785件 (術中迅速組織診 1,420件を含む) 細胞診 24,016件 病理解剖 25件

ご挨拶

 患者さんが慶應病院で内視鏡や手術で組織や細胞を採取されますと、それらはすべて病理診断科に持ち込まれます。私たちはプレパラートを作製し、顕微鏡で観察し病理診断を行っています。病名の確定の他、どれくらい病気が進んでいるか、治療が効きやすい病気か、治療の効果はどれくらいかなど、診療に不可欠な情報を提供しています。正確で迅速な病理診断を心がけ、安心安全な医療の提供に努めております。
 学生・研修医のみなさん、慶應で病理を勉強してみませんか。病院の病理診断科と医学部の病理学教室が一体となっている点が慶應の特徴です。慶應病院の組織診断は年間2万件超あり、若いうちから豊富な経験を積むことができます。一度見学にいらして下さい。

医師紹介

氏名 写真 職位 専門領域 認定資格等
大喜多 肇 大喜多 肇 准教授
診療科部長
病理診断
小児腫瘍
骨・軟部の病理
日本病理学会病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
橋口 明典 橋口 明典 専任講師 病理診断
腎病理
電子顕微鏡
日本病理学会病理専門医
山ノ井 一裕 山ノ井 一裕 専任講師
医長
消化管
幽門腺粘液産生腫瘍
日本病理学会病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
日本臨床検査医学会臨床検査管理医
上野 彰久 上野 彰久 助教 病理診断 日本医学放射線学会放射線診断専門医
日本病理学会病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
中山 雄二 中山 雄二 助教 病理診断 日本病理学会病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医
河原 徹 河原 徹 助教 病理診断 日本病理学会病理専門医
日本臨床細胞学会細胞診専門医

外来診療表担当表

連絡先

より詳しい情報は当部門の専用webサイトをご覧ください。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります。