リハビリテーション科

概要

リハビリテーション科は、主に神経・筋・骨格系の異常にもとづく運動機能障害者を対象として、医学的治療や治療的訓練を実施する診療科です。すなわち、疾患により生じた移動・身の回りの動作・コミュニケーションなどの障害に対して、失われた機能の回復をうながすとともに、残存能力を最大限に引きのばすための治療を行い、患者さんが家庭復帰や社会復帰ができるように援助しています。(リハビリテーションの役割
当診療科で行う治療手段には、薬物療法、神経ブロック、運動療法および温熱・電気刺激などの物理療法(理学療法)、作業療法言語聴覚療法装具療法、義肢作製などがあります。患者さんの状態にあわせてこれらの治療法を組み合わせて効果的に実施します。

特色・方針・目標

リハビリテーション科専門医11名を含む、18人の所属医師は国内最大規模であり、運動機能障害の診断・治療・予防を専門としております。すなわち、筋電図・神経伝導検査、歩行分析などの物理医学的診断法を用いながら、適切な障害の診断、残存機能の評価、機能回復の予測を行います。リハビリテーション医療職である理学療法士、作業療法士、言語療法士、義肢装具士、リハ・ナースなどから構成されるリハビリテーション・チームで治療にあたります。先進的医療としては、脳卒中後の重度上肢麻痺に対するニューロリハビリテーションを行っています。詳細は当科HPおよびKOMPASもご参照ください。また、痙縮に対するボツリヌス毒素注射も専門外来で行っています。

対象疾患は次のようになっております

次のような症状を扱っております

・手足に麻痺や不自由がある
・歩くことができない
・食事、更衣、トイレ動作など身の回りの動作がうまくできない
・手の麻痺のために箸が使えない、字が書けない
・関節の痛み、変形、可動域制限がある
・筋力低下があり動きが悪くなった
・持続する腰痛のために日常生活に支障がある
・食べ物が飲み込みづらい、よくむせる
・義肢(義手・義足)を作りたい
・上肢装具、下肢装具、車椅子、座位保持装置などを作りたい
・息切れのために長く歩けない、活動が制限されている
・手術後のリンパ浮腫のために手足がむくんでいる

検査内容のご案内

特殊診療施設のご案内

主な実績

名称 件数 備考
筋電図検査 約350件 2019年度
ビデオ嚥下造影検査 約460件 2019年度
嚥下内視鏡 約40件 2019年度
ボツリヌス注射 320人 2019年度

ご挨拶

未来を拓くリハビリテーション医学
1)積極的な早期介入により、障害を予防・最小化すること、
2)創造力と包括的なチームアプローチにより、障害を持った方々の機能を最大限に高め、生き甲斐を持った生活を送れるように援助すること、
3)医療の高度化・複雑化に伴って生じる新たなニーズに果敢に挑戦すること、
以上の 3つが、リハビリテーション医学・医療が果たすべき役割と考えています。慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室は、良き人を育て、良き医療を提供し、優れたサイエンスを推し進めるために、あくなき挑戦を続けています。

医師紹介

氏名 写真 職位 専門領域 認定資格等
辻 哲也 辻 哲也 教授 腫瘍リハビリテーション医学
リハビリテーション医学全般
リハビリテーション科専門医・指導責任者
日本臨床神経生理学会認定医
石川 愛子 石川 愛子 専任講師 リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医・指導責任者
川上 途行 川上 途行 専任講師 リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医・指導責任者
日本脳卒中学会専門医
和田 彩子 和田 彩子 助教 リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医・指導責任者
森 直樹 森 直樹 助教 リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医
山田 祐歌 山田 祐歌 助教 リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医
須田 万豊 須田 万豊 助教 リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医
中村 拓也 中村 拓也 助教 リハビリテーション医学全般
都築 圭太 都築 圭太 助教 リハビリテーション医学全般
南雲 美里 南雲 美里 助教 リハビリテーション医学全般
興津 太郎 興津 太郎 講師(非常勤) リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医・指導責任者
宮田 知恵子 宮田 知恵子 講師(非常勤) リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医・指導責任者
伊藤 真梨 伊藤 真梨 講師(非常勤) リハビリテーション医学全般 リハビリテーション科専門医・指導責任者

外来診療表担当表

1)重症度に応じた上肢麻痺に対する先進的ニューロリハビリテーションの取り組み

■手の麻痺という後遺症

 脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍の手術後などで半数以上の方に上肢(手)の運動麻痺が後遺症として残ると報告されています。上肢の運動麻痺は治療が難しいことが知られており、かつては病気を発症してから半年以降の回復は困難であると言われていました。

 しかし昨今、脳科学研究の進歩により、脳には変化しうる特性(可塑性)があることが証明されてきています。また、治療機器の開発も進み、発症から時間がたった運動麻痺でも改善の可能性があることがわかってきています。

■手の麻痺に対する当教室の取り組み

 我々は、発症してから時間が経った上肢麻痺の治療に取り組んでまいりました。特に、手を日常生活の中でほとんど使えていないような「重い」麻痺の治療の開発をこの15年間、継続して行ってきています。現在、主に3週間程度の入院での「手の麻痺に対する先進的ニューロリハビリテーション治療」を行っております。当教室の手のリハビリの特徴は下記のとおりです。

1)手のリハビリに特化したチーム体制
 運動麻痺を診断・治療する専門のリハビリテーション科医師、手のリハビリに関して熟練した作業療法士、病棟での生活を支え、生活の中での手のリハビリをサポートする看護師といったチーム体制により、患者さんの運動麻痺の改善を促します。

2)先進的リハビリテーション機器の活用
 主に、筋肉や神経に電気刺激装置を使用し、麻痺した筋肉の回復を促進します。

3)手が動きにくい方でも行える「運動イメージ」の活用
 スポーツの世界などでよく用いられる、いわゆるメンタルトレーニングですが、脳卒中後の運動麻痺にも効果があることが知られています。もし、動かしにくい手でも「運動イメージ」はできますので、それに電気刺激を組み合わせることで、麻痺した筋肉の回復を目指します。

4)日常生活での麻痺手の使用をサポート
 麻痺した手がよくならない理由の一つに「使えないから使わない」という状態が、悪循環を呼んでしまっていることが知られています。そこで、医師、作業療法士、看護師がそれぞれの立場から、今の手の状態にあった日常生活での麻痺手の使用の仕方を提案することで、「少しずつでも使う」状態まで持っていきます。こうして「使わないからよくならない」という悪循環を断ち切ることは、運動麻痺を改善させるためにとても重要です。
適応条件などの詳細は、当科詳細ホームページをご参照下さい。

2) ジストニア(痙性斜頚、書痙など)に対する治療について

ジストニアは、特定の動作や姿勢をとることが困難になってしまう病気で、脳や神経系統の何らかの障害が原因で、不随意的または持続的に筋肉が収縮したり硬くなったりするものです。生活上のストレスなどの精神的な問題が発症のきっかけになることもあります。代表的なジストニアに痙性斜頚(首が不随意的に上下や左右に傾く、ねじれる)や書痙(鉛筆や箸が持てない)があります。当科では神経生理学的な評価(表面筋電図検査、運動誘発電位検査など)や運動機能評価を実施し、ボツリヌス療法を併用した包括的治療を行っています。

3) がんリハビリテーションについて

がんの進行や治療によって受けた身体的なダメージに対してリハビリを行なうことで、日常生活の向上や仕事復帰を目指します。がんやその治療によって身体的問題が生じると生活や仕事が困難となり、生活の質は低下してしまいます。リハビリを行なうことで回復力を高め、日常生活やQOLを向上させることが可能です。対象疾患・障害を図に示しました。

詳細は以下へ
腫瘍センターにおけるがんリハビリテーション
悪性腫瘍(がん)のリハビリテーション

連絡先

より詳しい情報は当部門の専用webサイトをご覧ください。

受診について

  • 当院では患者さんの待ち時間を短縮するため、予約制を導入しています。
  • ご予約方法は一般の患者さんと医療関係の方で異なります。