がんと診断された方へ

1.がんの種類による担当診療科一覧

各診療部門においても、専門的ながん治療に取り組んでいます。当院では、部位、種類、治療法によって、以下のように分類をしています。

部位、種類、治療法等 担当診療科ページへのリンク
全身に関わるがん 放射線治療 放射線治療科
緩和ケア 緩和ケアセンター
血液のがん 血液内科
運動器のがん 整形外科
皮膚のがん 皮膚科
頭部、頸部のがん 脳腫瘍 脳神経外科
口のがん 歯科・口腔外科
耳・鼻・のどのがん 耳鼻咽喉科
胸部のがん 肺と気道のがん 呼吸器内科
呼吸器外科
腫瘍センター
乳がん 腫瘍センター
一般・消化器外科
腹部のがん 消化器のがん 消化器内科
一般・消化器外科
腫瘍センター
腎臓と尿路のがん 泌尿器科
副腎のがん 腎臓・内分泌・代謝内科
女性器のがん 婦人科
小児のがん 小児 小児科
小児外科
遺伝性のがん がんと遺伝 臨床遺伝学センター外来

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2.がん専門初診外来

がん初診患者のスムーズな受診と早期治療に繋げるため、専門の予約電話を設けています。すべてのがん患者さんをすべての診療科の外来枠の中から「がん専門初診外来」へご案内いたします。

腫瘍センターへ

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3.がんの種類による治療法

科学的根拠に基づく、がんの集学的治療、患者さんに合ったがんの個別化治療、患者さんに負担の少ない低侵襲治療、および慶應独自の先端的ながん治療を提供しています。主な治療法については慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト「KOMPAS」に掲載されています。

医療・健康情報「KOMPAS」

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4.がんゲノム医療

2018年2月、慶應義塾大学病院は、厚生労働省から、「がんゲノム医療中核拠点病院」に認定されました。腫瘍センターでは、2017年11月より、一人ひとりのがん患者さんに最も適した治療薬の情報を提供するために「がん遺伝子外来」を開設し、受託解析にて、複数のがん遺伝子を調べる遺伝子パネル検査を導入致しました。

慶應義塾大学病院腫瘍センター ゲノム医療ユニットの取り組み

がん全般に関する相談・支援については<7.がんに関する相談・支援>をご参照ください。臨床研究に関する内容については患者総合相談部 総合相談窓口にご相談ください。

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5.AYA世代(思春期・若年成人)のがん患者さんに対する治療・支援

AYA世代(思春期・若年成人)とは、一般的に15歳以上40歳未満、すなわち小児期と壮年期・老年期の間で、就職し、家族を形成する、言わば「社会を支える非常に重要な世代」です。当院で新規に治療を開始するがん患者さんのうち、約10%がAYA世代の方です。そのため当院では、AYA世代のがん患者さんががんの治療を継続しながら仕事が継続できるように、がん相談支援センターで就労や療養に関する相談支援を行っています。また、各診療科とリプロダクションセンターが協力し、がん治療を行いながらも妊孕性温存にんようせいおんぞんをサポートする取り組みを行っています。

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6.緩和ケア

緩和ケアとは、病気の治療の全経過を通して認められる身体や心のさまざまな苦痛を和らげ、患者の皆様やご家族にとって可能な限り良好な生活の質(Quality of Life)を実現させるための医療です。
緩和ケアセンターでは、麻酔科医師、精神科医師、専門看護師、薬剤師が中心となりチームで診療を行っています。

緩和ケアセンター

緩和ケア研修修了者

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7.がんに関する相談・支援

7-1.がん相談支援センターのご案内

当センターでは、「がん患者さん・ご家族との個別のご相談」に加え、がん患者さんやご家族が学び、語り合う場として「患者サロン」を開催しております。また、病気・検査・栄養・くすりなど、広く医療と健康、生活に関わる情報を提供するスペースとして、「資料配布・閲覧コーナー」「掲示板」を設け、提供しております。

がんの診断から治療、その後の療養生活さらには社会復帰と、生活全般にわたって、疑問や不安を感じたときに、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

がん相談支援センターのご案内へ

7-2.セカンドオピニオン外来のご案内

当院以外でがん診療を受けている患者さんが、病気や治療法の理解を深め、納得・安心してより良い治療法を選択するため、主治医以外の専門医に意見を求める「セカンドオピニオン外来」もおこなっています。

セカンドオピニオン外来のご案内へ

7-3.がん患者とその子どものサポート(SKiP,KEIO)

子育て世代のがん患者が増加する中、がん患者である親の多くは自分の病気や治療に悩むだけでなく、それをどのように子どもに伝えて理解してもらえるか悩んでいます。また病気を伝えた後、子どもたちの不安を和らげ、それぞれのご家族らしい生活つづけられるよう時にはサポートが必要です。当院では、腫瘍センター後援を受け、多職種メンバーで構成した『がんの親をもつ子どものサポートチーム(Supporting Kids of Parents with Cancer、通称SKiP,KEIO)』のメンバーが支援していきます。
詳細はKOMPAS記事をご参照ください。

KOMPAS記事「がん患者とその家族・子どもへの支援 ―がんの親をもつ子どもサポートチーム(SKiP KEIO)―」へ

①キッズ探検隊

御両親やご家族がどんなところで病気の治療をしているのか、子どもたちが探検隊になって病院の中を見学し、知ってもらいます。がんについて勉強、見学などのプログラムを通じて、子どもたちの不安や心配の軽減を目指します。

2024年6月開催 Webキッズ探検隊参加者募集のお知らせ

②CLIMB®プログラム

親の病気を伝えられている子ども(小学生)たちが集まって、一緒に絵を描いたり、工作をしたり、話をしたりしながら、自分の状況や気持ちに向き合う力等を高めます。

CLIMB®プログラム(Children’s living Lives Include Moments of Bravery)とは、アメリカで用いられているがんの親を持つ子どものためのグループワークです。

2023年冬WEBCLIMB®プログラム参加者募集のお知らせ

③Teens seminar(ティーンズセミナー)

親ががんであることの説明を受けている13歳~18歳のお子さんを対象にしたプログラムです。
医療従事者からがんについて学び、病院内を見学することで、がんについての理解を深めます。また、親の病気を通して抱く感情について学び、同世代の仲間と共有することで、不安の軽減や気持ちの対処ができることを目指します。

2024年度Teens seminar参加者募集のお知らせ

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8.がん登録

院内がん登録

「院内がん登録」は、病院で診断されたり、治療されたりしたすべての患者さんのがんについての情報を、診療科を問わず病院全体で集め、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。
当院では「がん登録等の推進に関する法律」および「院内がん登録の実施に係る指針」に即して、当院でがんの診断、治療を受けたすべての患者さんのがんの種類や治療内容等を「院内がん登録標準登録様式」に則り、院内がん登録実務者研修を受けた専任のスタッフが登録を行っています。

そして地域がん診療連携拠点病院として、国立がん研究センターが年1回実施する全国集計に匿名化された院内がん登録の情報を提出しています。施設ごとに集計、公表がなされ、がん診療の実態を全国的に把握することができます。

また、国立がん研究センターの予後調査支援事業に参加し、定期的に登録されたデータの生存状況確認調査も行っています。

院内がん登録実績pdfのリンクです。別ウインドウで開きます。

全国がん登録

「全国がん登録」は、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理する新しい仕組みです。

2016年1月に施行された「がん登録等の推進に関する法律」により、すべての病院と一部の診療所において、患者さんのがんに関する情報の提出が義務付けられています。

各自治体で取りまとめた情報は国のデータベースに集約され、統計情報として一般公開されると同時に、国のがん対策やがん研究に役立てられます。

院内がん登録全国収集データの二次利用について(オプトアウト)

院内がん登録二次利用についてpdfのリンクです。別ウインドウで開きます。

院内がん登録全国収集データの二次利用についてpdfのリンクです。別ウインドウで開きます。

がん診療均てん化のための臨床情報データベース構築と活用に関する研究pdfのリンクです。別ウインドウで開きます。

がん対策・医療の充実のための診療関連データベースの構築と活用に関する研究pdfのリンクです。別ウインドウで開きます。

院内がん登録情報は、「がん登録等の推進に関する法律」、当院の「個人情報に関する規定」に基づき、細心の注意を払い適切に保護、管理しています。

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9.地域がん診療連携拠点病院としての取り組み

がん診療連携拠点病院とは、『がん診療連携拠点病院の整備について』(厚生労働省健康局長通知)に基づき、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、厚生労働省より指定された病院を指します。

『がん診療連携拠点病院』には2種類あり、都道府県ごとに概ね1ヵ所ずつ指定した『都道府県がん診療連携拠点病院』と、『地域がん診療連携拠点病院』があり、当院は、平成23年4月に『地域がん診療連携拠点病院』として指定を受けました。

慶應義塾大学病院は、東京都が11に分けた地域の「区西部」に該当し、新宿区・中野区・杉並区を中心とする地域のがん診療の拠点となっています。
都内のがん診療連携拠点病院と協力して、情報共有、相互評価を行い、がん診療の質の向上に努めています。

PDCAサイクルの構築体制についてpdfのリンクです。別ウインドウで開きます。

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9-1.キャンサーボードの設置

患者さんの症状、状態および治療方針等を意見交換・検討するための多職種によるカンファレンス(キャンサーボード)を定期的に開催しています。

カンファレンス実施体制

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9-2.地域のがん診療の連携協力体制の構築

地域の医療機関や福祉施設と、がん患者さんのつなぎ役を担います。

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9-2-1.東京都医療連携手帳について

慶應義塾大学病院では、医療連携の適したがん患者さんに、安全で質の高い医療を切れ目なく提供するため、5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)及び前立腺がんの地域連携クリティカルパス「東京都医療連携手帳」を利用して、地域の医療機関との連携を図っています。

東京都医療連携手帳のご案内

東京都医療連携手帳はこちら

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9-2-2.緩和ケア連携

東京都区西部緩和ケア連携推進事業 看護師部会、介護・福祉部会では「わたしの道しるべ」を毎年作成しています。がんと診断された方が様々な疑問や不安を抱えた時に手にできる冊子を作ること、そして専門職にも患者支援に活用いただくことを目的に、緩和ケアに関する医療資源の情報収集と共有化を図るために、医療・福祉機関のがんや療養に関する相談窓口等(新宿・杉並・中野)をまとめています。

① わたしの道しるべ Part1 がんと共に生きる人々へ 2023年改訂版pdf

  • 発行:東京都区西部緩和ケア連携推進事業事務局
  • 内容:がんと診断された方が抱える様々な疑問や不安に対応する相談窓口のご紹介

② わたしの道しるべPart2 家で暮らしたい~あなたの緩和ケア~2024年改定版

  • 発行:東京都区西部緩和ケア連携推進事業事務局
  • 内容:訪問診療や訪問看護、介護の準備を具体的に進めていくための実践編

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